目のかゆみ、ごろごろとした異物感、涙目、充血、目やに…
多くの日本人を悩ませる「目の花粉症」。
季節性アレルギー性結膜炎が原因かもしれません。
コンタクトレンズユーザーであれば、アレルギー反応によってレンズが曇ったり、ずれやすくなったり、かゆみの症状がひどくなってしたまったりします。
ぼくも長年、コンタクトレンズも花粉症も持ち合わせているため、花粉のシーズンは、目薬、飲み薬、マスクで対策をとり、コンタクトレンズはワンデータイプで清潔を保つように心掛けています。
そこで今回は、不快な花粉の症状のメカニズムを解説し、花粉シーズンに正しいアイケアができるよう話をしていきたいと思います。
またコンタクトレンズユーザーの方には、花粉のシーズンにおすすめのコンタクトレンズについても紹介していきますのでぜひ参考にしてみてください。
なぜ花粉症は目に症状がでやすいのか
花粉症の影響は、目に出る方、鼻に出る方など様々ではありますが、目に症状が出やすいことには理由があります。
1.直接、花粉が入ってくる
目は外界と直に接しており、花粉にさらされやすい器官です。
しかも、角膜(黒目)や結膜(白目)という粘膜が表面をおおっているため、花粉が付着しやすいのです。
2.結膜に免疫細胞血管がたくさんある
結膜には、免疫細胞血管がたくさんあり、さらに血管も多く、体内で作られた炎症細胞が次々と届きます。
この細胞たちが花粉に反応して、不快な症状が現れます。
3.花粉は涙に溶けやすい
花粉症の原因となるのは、花粉に含まれるタンパク質。
それは涙に溶けやすい性質があるため、涙液よって目全体に広がってしまいます。
いつ花粉症になってもおかしくない
もともとヒトは、細菌やウイルスなどの異物と戦う「抗体」をつくり、からだを守っています。
その抗体が過敏に働いておこるのが、アレルギー。
「変化した反応能力」を意味するギリシャ語です。
花粉症もアレルギーの一種であり、年々、患者数が増加しています。
スギなどの花粉の飛散量が増え続けていることが、原因のひとつだと思われています。
花粉症を発症するメカニズム
花粉が体内に入っても、すぐにアレルギー反応が起こるわけではありません。
花粉に対する抗体が十分につくられるまで、数年から数十年の準備期間があります。
2.花粉が対する抗体が体内で作られ、集まる
3.再び花粉が体内に入り、一定量になったときにアレルギー反応をおこす(花粉症)
花粉は一年中飛んでいる
花粉症の原因となる花粉は約60種類。
一般に最も多いといわれているのはスギですが、一年中、さまざまな植物の花粉が飛散しています。
自分が何にアレルギー反応を起こすのか、眼科などの医療機関で原因花粉を特定する検査を受け、早めの対策で症状を和らげましょう。
花粉がいつ飛んでいるか、要チェック
花粉カレンダー
01月 | 02月 | 03月 | 04月 | 05月 | 06月 | 07月 | 08月 | 09月 | 10月 | 11月 | 12月 |
ヒノキ | ブタクサ | ||||||||||
スギ | カナムグラ | ||||||||||
ハンノキ | ヨモギ | ||||||||||
イネ |
〈スギ花粉の多い日〉
- 晴れて、気温が高い日
- 空気が乾燥し、風が強い日
- 雨上がりの翌日
- 気温の高い日が2~3日続いた後
〈スギ花粉の多い時間帯〉
- 昼前後…気温が上がり、スギ林から花粉が飛び出してくる
- 日没後…空に広がった花粉が地上に落ちてくる
そのケア、実は間違っているかも
なんとなく行っていた自己流のケアが、かえって目に負担をかけているかもしれません。
正しいケア方法を確認して、花粉症の目を優しくいたわりましょう。
×水道水で目を洗わない
水道水に含まれる塩素が刺激になり、角膜や粘膜を痛めることがあります。
めのまわりについた花粉を洗い流すだけならOKです。
○人工涙液で花粉を洗い流す
目に入った花粉をとりたいときは、防腐剤の入っていない人口涙液を使い、洗い流しましょう。
△点眼液は説明書を読んでから
点眼液の説明書には、ソフトコンタクトレンズの上から点眼してもよいかなどの記載があります。
ルールを守って使いましょう。
◎目がかゆい時は冷たいタオルが効果的
ガマンできないほどのかゆみには冷たいタオルがが効果的です。
目をクールダウンさせましょう。
自己流の花粉症ケアより、早めに眼科を受診しよう
自分の判断だけで市販の点眼液や人工涙液を使うなど、花粉症のケアが自己流になっていませんか。
誤った対処を続けてしまうと、症状の悪化に繋がる場合もあります。
目の健康を守る第一歩は、眼科の受診です。
専門医の適切な指示のもと、正しい治療を行うことが大切です。
花粉が飛ぶ前の“初期療法”がカギ
目の花粉症を治療する時に使われるのが、“抗アレルギー点眼薬”。
抗体の過剰な働きを抑え、目のかゆみや充血などの症状を緩めます。
毎年、花粉症に悩まされているという方には、花粉が飛び始める前から抗アレルギー点眼薬を使う“初期療法”が効果的。
花粉の飛散量がピークになる時期の症状を和らげたり、症状が出る時期を短くしたり、つらさや不快感の軽減が期待できます。
花粉症のほかに原因があるかも
自己判断をするのではなく、気になる症状があれば早めに眼科医に相談しましょう。
1日使い捨てレンズで花粉も一緒に捨てよう
花粉症のコンタクトレンズユーザーにおすすめなのが、“1日使い捨てレンズ”。
付着した花粉ごとその日のうちに捨て、毎日清潔なレンズを使うことができます。
花粉症かな…と感じたら、まずは眼科を受診し、コンディションに合わせてコンタクトレンズを使いましょう。
コンタクトレンズの汚れで症状が悪化することも
花粉シーズンは、花粉や目やになどの分泌物により、コンタクトレンズが汚れやすい時期です。
その汚れが、アレルギー反応や目の炎症を悪化させることもあります。
症状がひどい時は装用時間を短くしたり、レンズを外したりするなど、眼科医に相談しながら、使用の中止・継続を決めましょう。
花粉シーズンにおすすめのワンデータイプのコンタクトレンズ
花粉が付きにくい“非イオン性素材”
非イオン性素材のコンタクトレンズはタンパク質がつきにくく、花粉なども付着しにくいといわれています。
レンズが汚れやすい花粉シーズンも、清潔な状態をキープしましょう。
花粉症の時期におすすめの1日使い捨てレンズ
“非イオン性”ということに着目することと、その他レンズ性能を考慮して、花粉症の時期におすすめする1日使い捨てレンズはこちらです。
アルコン:デイリーズトータルワン
まずはどんな方にも文句なしでおすすめできるのが、デイリーズトータルワンです。
圧倒的な酸素透過率の高さと、レンズ表面が柔らかく滑らかで安定した装用感の良さが特徴です。
もちろん“非イオン性”で汚れにも強いので花粉症の時期にも使えます。
ジョンソンエンドジョンソン:ワンデーアキュビューオアシス
もう一つおすすめを挙げておくとすれば、ワンデーアキュビューオアシスです。
デイリーズトータルワンより、酸素透過率では下回りますが、こちらも比較的終日快適な装用感で使用することができます。
もちろん“非イオン性”であること、加えてUVカット機能が備わっているのでトータルワンとは少し特徴が異なります。
どちらも花粉の時期におすすめできるレンズにかわりありませんので、好みになるかとは思いますが参考にしてみてください。
口コミの良いワンデーアキュビューオアシスVSデイリーズトータルワン徹底比較
さいごに
ぼくは3月から5月くらいまでが、花粉症でなやまされる時期ですので、普段は2週間交換のコンタクトレンズを使っていますが、花粉の時期だけは1日使い捨てレンズを使っています。
眼科に勤務していると、年中アレルギーでお悩みの方や、今年から花粉症が始まってしまった…という方など、いろんな方が来られます。
適切な対応をして、少しでも不快感を軽減できるよう正しいアイケアをしていきましょう。